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help リーダーに追加 RSS 「塩狩峠」にて

<<   作成日時 : 2008/07/24 17:58   >>

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 読み返したとき、必ず泣ける本がある。何度読み返して、怖いもの見たさにちらっと盗み見るように読んでも泣けてしまう本が何冊かあるが、三浦綾子の「塩狩峠」はその1冊である。本のラストで、鉄道員の婚約者が乗客を救うために殉死した場所を一人残されたふじ子が訪れる。やや足が悪いため軽く引きずって近づいてゆくのであるが、ガバッと泣き崩れる恋人の姿に私も号泣したくなってしまうのである。何度も何度も泣いてしまうのである。

 今年の7月、三浦文学ファンの妻を連れて塩狩峠を訪れた。2度目である。妻は、詩を書くときペンネ−ムを「氷点」のヒロインにちなんだ名前にしているほどの影響を受けている。
 
 青空のもと塩狩峠の森の中を線路がずうっと下ってゆく。長野さんの殉職碑に寄り添うように「愛は力なり」と書かれたポストが立っている。そばにある丘のうえに「塩狩峠記念館」があり、中に入って妻は掲示品を食い入りように、一字も逃さないように説明文を読んでいる。その間、私は本棚から塩狩峠を引っ張り出したラストシ−ンを読む。また泣いた。恥ずかしいことに身体を震わせながらである。2時間近くいた。ゆっくりと時間が進む。また、三浦さんから新しい力をもらうことができ、記念館から出た。光は木立の中まぶしく差し込んでいる。

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